また台風が近づいてきています。
みなさま、どうか身の安全の確保を一番に行ってくださいね。
台風の話から、心理学の話をしたいと思います。
一見まったく関係のない話に感じるかもしれませんが
ぜひ読んでいただけたらと思います。
避難の遅れは防衛反応が関係しているかもしれない
台風が近づき、それが大きければ大きく危険が心配される時
テレビなどでは何日も前から呼びかけが行われます。
住む地域によっては、早めの避難を促されます。
ところが、実際に台風が近づき、大雨や強風が吹き始めてから
避難を始め、それが遅かったために亡くなってしまう、という
ケースがあります。
第三者的に、「なぜ前々から呼びかけがあったのに遅れるのか?」
と思う方がいらっしゃると思うのですが、これが実は
心の防衛反応が働いたことが要因である可能性があります。
あまりに非日常的なことが起こり、危険が伴う時
それを考えることが本人へのかなりの負担が掛かれば
そこから自分を守ろうとします。
そのストレスに耐えられないと脳が判断するわけです。
そうすると脳が、「案外、大丈夫なんじゃない?」と
心を落ち着かせるようにするのです。
心理学用語では、正常性バイアスと言います。
生きていく中では大事な働きでもあるのですが、非常時や災害時には
こちらを意識し、気をつけることも大切です。
【参考記事】
・災害時の「まさか」はなぜ起きるのか 正常性バイアスの恐ろしさ
・正常性バイアスを知っていますか?「自分は大丈夫」と思い込む、脳の危険なメカニズム
大切なのは落ち着くこと、的確な行動をとること
まず、ニュースなどから情報をしっかり受け取り、よくチェックしましょう。
例えば、災害の範囲、自分の住む地域にどのくらい影響するか、また
自宅周辺の環境(川、山、海が近いか、地盤の強さなど)を確認する。
あまりに遠い場所に住んでおられる方は、そこまで行動に移す必要は
ないかと思いますが、自分の住む、または働く場所が該当する場合は
周りが「大丈夫だろう」と思って行動していないとしても同調せずに
むしろ呼びかけ合うことが非常に重要です。
「大丈夫ではないかもしれない」と考える必要性。そして備えと準備。
避難場所は早めに確認し、一日でも早く行動に移すことを心掛けましょう。
「たいしたことなくて良かった」と思う結果であっても
次回もまた同じだとは判断しないことも大切です。
十二分に対策をし、事なきを得ることほど幸せなことはありません。
『危険が迫っている、でもきっと大丈夫だろう』と思ってしまった時は
まず冷静に、いったん落ち着いて、それから出されている情報を元に
的確に行動に移してください。
わたし自身、台風が関東に近づく際、いろいろな人と台風について
話をするのですが、自分が過剰に心配、そして準備をしているのかしら?
と思うほど、周りの人はあまり気に留めていないことが多いのですね。
周りがそうでも、自分のできることをします。
ベランダにはゴミ箱くらいしか置いていませんが、物干し竿と共に
家の中に移します。
停電、断水のイメージを行います。
その際、使えるものがあるか確認し、自分の近くに置いておきました。
停電すれば冷蔵庫のものもすべて使えるわけではなくなるでしょうから
缶詰などの非常食のチェックもします。
スマホ用の携帯バッテリーは集めるだけ集め充電し、スマホはできるだけ
常に100%に近くなるよう気をつけました。
今思い出せるのはこの辺りなのですが、他にも気をつけていたことが
あったかな・・・
それでも十二分かと言われれば、そうではないと思うのですね。
わたしが住む環境(地盤が強い、近くに山や川や海がない、
マンションでありそこそこの高さに住んでいる)を前提に考えました。
台風が過ぎ去り、被害がなかったのは幸運でしたが、被害があった場合
早めに台風の被害での損傷ということを確認し、保険機関に連絡を
することも大事になります。
実際に起きれば、心がバタバタしてしまいますよね。
心が起こる現実に追いつかないということも無理はないでしょう。
できれば日頃から訓練や、ご家族や身近な人と話し合っておくことが
望ましいのではないかと思います。
災害について人と話すことで気づくこともある
同じマンションの違う階に住む友人から、台風の風が強かったので
わたしのことを心配していたと言われ、わたしは驚きました。
彼女の住む階の方が我が家よりも高い場所なので、強い風で
何か飛んでこないかと、わたしは心配していたのです。
けれど彼女は、電柱が我が家に倒れてくるのではないかと
心配していた、とわたしに言いました。
わたしは「盲点だった!」と思わず言ってしまいました。
確かに電柱が窓から見えます。
倒れてくれば、我が家の窓ガラスは割れるかもしれません。
そんな風に、自分では気づけないことに気づかされるという意味で
真剣に向き合い、そのことについて周りの人々と話す、というのも
とても良いことだと思いました。
災害はできれば起こってほしくないというのが願いではありますが
その気持ちに反して起こるものです。
あまりに心配になりすぎて健康を害してしまうのも良くはありませんが
人間の脳や心の反応も知った上で、適切な行動を心がけていきましょう!
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